2009年03月11日
おさぼり気味の店長日記ですが(^^;)、最近、お客様から
「もっと書けー」「宝石ネタを読ませろー」という有難い
リクエストを頂きましたので(笑)、気合を入れて書かせて
頂きます。
…すみません、嘘です。リクエストは本当ですが、今回の
日記は、海外で活躍される宝石カッター職人のPさんから
コラムをお寄せ頂きましたので、ご紹介させて頂きますね。
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3月の誕生石といえば…ベリル鉱物の青色、アクアマリン
いよいよ高品質なカット済みのモノが減ってきました。
これは何故か?
至ってシンプルな理由があります。
・アクアマリンを産出する国の政情不安
・それに伴い、人件費や採掘のリスクが非常に高い
・度重なる乱掘によって鉱山自体が崩落してしまう事も多い
アクアマリンの産出される鉱山のパターンは大まかに
大きく分けてペグマタイト鉱床と熱水鉱床の二つに
なるんですが、鉱脈をある程度補強しながら
掘り進めなければなりません。
しかし実際には、そこまで経費がかけられない上に
鉱脈に当たるまで相当時間が掛かることが多いです。
アクアマリンは、基本的にフェルドスパー(ムーンストーンとか)と
マイカ(雲母)、トルマリン等と共生します。
つまり
掘るリスクの割にはあまりなぁ・・・って感じになります。
坑道を補強していく掘り方が殆どなので、鉄砲水も出るけど
盗掘も簡単・・・って事です。
まぁここ15年前からブラジルのサンタマリア地区で産出された
非常に色の濃いブルーに近いアクアマリンが産出されたり、
その後ナイジェリア等で発見された色の濃いモノが有名です。
通称 サンタマリア産、およびサンタマリアアフリカーナ
等と言われています。
(モザンビーク ナイジェリア マダガスカル 等々アフリカ大陸全土)
ご紹介する写真は、サンタマリア産の典型なんですけどね。
ただ、中の下のランクです。
たしかに水色と言うより、青色とジャッジされますね。
尚かつ一時高値で取り引きされた上に市場全体が売ってしまったが為に
飽きられ気味になったというのが現状です。
ただしそういったハイエンドタイプのアクアマリンは産出されない
と言う話をよく聞くのですが、
そんなことはありません。
サンタマリアでは実際3キロしか産出されなかったとかそういうお話も
飛び交っていますが、
実際はそうではありません。
サンタマリア地区であの程度の色があまりでなくなったという話だけです。
年に30個単位でのカットできる程度の原石は出ています。
サンタマリアでアクアマリンを掘るよりもほかの鉱区でほかの宝石を
掘っている方がお金になるだけで(w)
あらゆる保険が失効する鉱山で、誰が好きこのんでリスクの高い行為を
するんですか?って話です。
その上掘ったところで、
値切られてたらリスクに報われないですよね。
これまたアクアマリン自体カットするとロストパーセントの高い
宝石ですから仕方がないといえば仕方がありません。
個人的意見で優秀だったアクアマリンはウクライナ産がいいなあと感じています。
色は非常に薄いのですが、
結晶構造に欠陥が少ないため、大胆なカットが出来る事。
研磨すると非常に仕上がりの良い研磨面になります。
非常に秀逸ですが、サンタマリア産でもないし、ナイジェリア産でもありません。
結果
産地別に考えて宝石を研磨するのではなく
所定の検査を終えたあと条件の良いものをカットするのがベストです。
サンタマリアだから高額というわけではありません。
綺麗だったら値段が貼るのは当たり前です。
高品質がサンタマリアアクアマリン
って
どこの誰が鑑別書に書くんですかね・・・。
んっとに
産地の同定ですら確立できないのがアクアマリンです。
つまり原産地で掘って出てそれを自分で切って売る。
これぐらいしか証明が出来ないわけです。
実際の一般小売り希望価格ってすごいですよ。
サンタマリア産でダークブルーのアクアマリンで
1カラットあたり
一般希望小売価格$15000=150万円
ってのありますから。
まぁ何ですかね、
間違ったまま自己満足で販売するのと
自己満足で買うのはやめて欲しいなぁと。
アクアマリン 非常に綺麗な色ですよ。
で本当に綺麗なら十分なことが足りるはずです。
宝石も使い分けでアクセサリーレベルはアクセサリーレベルであって
宝石とは訳が違うと言うことを知って欲しいなぁと。
僕等の苦労とかあんまりわからないで売ってるんだろうな・・・。
だからまじめにやってる僕等が煽り食らうんですよ。
もっと正直な話
安いモノを20個買うなら
良いものを一つ安いモノを5つ
って感じですかね。
綺麗だったら値段が貼るのは当たり前です。
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最後の数行はちょっと耳に痛いというか心臓に痛い部分も
あるのですが(笑)、宝石好きな私としてはそれもとてもよく
分かります。(お財布が追いつかないだけ)
ただ、宝石にも「役割」があると個人的には思っています。
コラムを下さったカッター職人Pさんのような方が生み出す
ものが財産的価値のある「宝石」であるならば、私達が
手掛けるものは、気軽に身に付けられる「アクセサリー」
であると…その両方をうまく共存させていければ、それは
それで素敵なことじゃないかと思うのです。
そんな訳で、手軽に楽しんで頂けるファッションジュエリー
感覚の「アクセサリー」と、価値ある本物を望まれる方の
ための「ハイエンドジュエリー」、そして、少し頑張ったら
手に届く「ミドルレンジジュエリー」とを扱っていけるように
したいな…と考える、今日この頃です。
※ミドルといっても、実際にはかなり高品質のものです(^^)
で、少し話は元に戻りますが、
サンタマリアアクアマリンとは、最高のアクアマリンに
与えられる称号でも何でもなくて、本来はブラジルの
サンタマリア地区の鉱山で採掘されたアクアマリンのこと
なんですね。
ペルー産やスイートホーム鉱山産のロードクロサイトと
言ってると特段変わらない訳です。
ただ、サンタマリアアクアマリンとかサンタマリアアフリカーナ
という名称が、あたかも「色の濃いアクアマリン」や「最高の
アクアマリン」であるかのコマーシャルネームとして出回ってる
現状を踏まえると、こんな小さなブログからでも正しい情報を
発信することで少しでも是正出来ればいいなと思います。
さらに詳細な画像付きの日記は、こちらからどうぞ(^^)
ビーズジュエリー作家のひとりごと
追伸:
そんな凄腕宝石カッター職人のPさんですが、鉱物学の博士号
を所持され、GIA(米国宝石学協会)認定のG・G(鑑定士)と
FGA(英国宝石学協会)認定の鑑定士とCGJの(全国宝石学協会)
認定の鑑定士の免許を所持されています。
で。
当店では、新たに「ハイクラスジュエリー」というコーナーを
設定し、Pさんから石のご提供を頂くことになりました。
少しずつですが、皆様に「これぞ宝石!」とご納得頂ける
トップクラスのジュエリーをご紹介していきたいと思います。
ハイクラスジュエリーは、こちらから ↓↓↓↓↓
http://estrella-luna.ocnk.net/product-list/110