はんなり

はんなり

それは、古くから京都に……特に祇園などの花街に伝わる
美しい京言葉の一つ。
京都人の私にとっては馴染み深い言葉ですが、あまり日常
生活では使いません。
この言葉の響きの美しさから、京都以外の方が用いることが
増えてきたのですが、残念ながら正しい意味で使われていない
ように思います。全体の文脈から、何となく違う意味で使わ
れている雰囲気がするものが多いと感じます。

皆様は、「はんなり」という言葉にどういう印象を抱かれる
でしょうか?

色々な方に聞いてみますと、「ほんのり」「かすかに」「淡い」
「柔らかい」という意味合いで捉えられていて、そのように
使われることが一番多いようです。

が、実際には全く違います。

辞書には「華やかなさま。艶やかなさま。明るく陽気なさま。
色鮮やかな様子」と記載されています。
「はんなり」という言葉がぴったり来るものの代表格は、何と
いっても舞妓さん達。お着物にしてもお化粧にしても、華やか
で艶やか…という印象があります。
でも、古くから伝わる本来の意味は「美しき花が最後にかかり
つつある時季、落ち着いた美しさを誇る様」を指しています。

作品のコメントを書く時、どんな表現をすれば上手く伝わる
だろうか…といつも考えるのですが、ジュエリーに「はんなり」
という言葉を用いる時は、京都人として、正しい「はんなり」
を伝えていけるようにしていきたいと思っています。